カネミ油症、救済法成立へ [朝日新聞]
- カネミ油症の被害救済をめぐり、民主党、自民党、公明党は2日、支援法案を今国会に共同提出することで合意した。法案によると国は当面、毎年1回「健康実態調査」を実施し、それを受けた認定患者や同居家族に協力費の名目で1人あたり19万円を支給する。さらに原因企業のカネミ倉庫に国が出している経営支援金を増額し、一人当たり5万円を上乗せする。
- カネミ油症は、国内最大の食品公害とされる。1968年にカネミ倉庫製の米ぬか油を食べた人に黒い吹き出物をはじめ、神経、関節、呼吸器などにさまざまな症状が出て、西日本一帯で1万4千人が健康被害を届け出た。油の製造工程で混入したPCBが加熱されて生じたダイオキシン類が主因とされる。認定患者数は1966人(2012年3月末現在)。
- 認定患者への救済は、これまでカネミ倉庫による一時金23万円と医療費の一部支払いだけだった。政府は、政府米の保管をカネミ倉庫に優先させ、同社の経営安定させ間接的に患者を支援してきたが、同業務の商社への委託に伴い、カネミ倉庫の経営悪化が懸念されていた。法案は今国会で成立する見通しで、来年度概算要求への反映を目指す。
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