厚年基金、深まる苦境 [日経新聞]
- 長野地裁は24日、財政が悪化した厚生年金基金からの脱会をめぐる訴訟で、長野県の建設会社の脱退を認める判決を出した。「脱退の自由」が認められたことで、財政難の厚年基金から企業が離脱する動きが加速しそうだ。
- 厚生年金保険法や規約には、任意脱退を直接的に定めた規定がない。このため「脱退の自由」が認められるかどうかが最大の争点だった。長野地裁は、長野県建設業厚生年金基金で23億円超の使途不明金が発覚し、元事務長が指名手配されたことを重視。「やむを得ない事由がある場合」は、代議員会が認めなくても脱退できるとの判断を示した。
- 条件付きながら脱退が認められたことで、基金からの離脱を模索する企業の背中を押すことになりそうだ。ただ、脱退は自社分の積み立て不足を一括納付することが条件で、負担金は数十億円に達するケースもある。負担金を用意できる企業だけが脱退し、基金には経営の厳しい企業ばかりが残されかねない。
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