税金に殺されてたまるか ~名もなきケイザイの唄 [東京新聞]
- 『何に使うかなどとお尋ねにならないことです。そう、私は税金取り』。重い税負担に不満をこめたビートルズの『タックスマン』(1966年)。デフレに苦しむ日本経済は、消費増税、復興予算の流用問題により、立ち直りをさらに遠くしようとしている。
- 東京多摩地区にある工場の社長は、帳簿に斜線を入れる。9月以降、取引先25社の半分から連絡がない。「リーマンショックの時よりもひどい」。電話が鳴ると、税務署員が「法人税を滞納しています」と冷たく言う。今まで経費として認められた社長自らへの未払い給与が課税対象になったという。売り上げが乏しく、自分の報酬は後回しにしていた。
- ここにきて急速に景気が減速している。「税金に殺されるわけにはいかない」。機械の動かない工場に、社長の言葉が響いた。『何に使うかなどとお尋ねにならないことです。税金を増やしたくないならね。そう、私は税金取り』。今の日本を、ビートルズだったらどう唄うのだろうか。
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