不戦の誓いに価値 ~9条この1票で(下) [東京新聞]
- 東京沖縄県人会事務局長の島袋徹さん(75)は、衆院選で改憲論が政党を超えて広がるのをもどかしい思いで見ている。軍医の父親は沖縄戦で戦死。女手ひとつで7人きょうだいを育て上げた母親は、「憲法は守るんだよ」「選挙は棄権しちゃだめ」と口癖にように話していた。
- 米国出身の映画監督で早稲田大教授のジャン・ユンカーマンさん(60)は、2005年に「日本国憲法」のドキュメンタリ映画を製作した。「改憲が議論なく進むのは怖い。憲法は民主主義の結晶で、社会の心臓。もっと慎重に話し合ってほしい」と語る。
- 学徒出陣の経験を持つ政治学者の石田雄・東大名誉教授(89)も、「憲法9条が戦力の保持や交戦権を認めなかったから、自衛隊は海外で誰も殺していない」と強調。衆院選後に改憲勢力が多数派になったとしても、改憲を白紙委任したとは考えていない。希望をつなぐのは、脱原発や反貧困のデモ。国会を心理的に包囲することが大切と考える。
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