過大値採用、建設に道 [東京新聞]
- 八ッ場(やんば)ダムなど利根川の上流ダム群をの建設の根拠となった洪水の最大流量が、議論が尽くされないまま、大きく推計された値が採用されていた。1947年当時の建設省(現国土交通省)の内部資料で分かった。
- 1947年のカスリーン台風による洪水をめぐり、利根川の治水基準点となる八斗島(やったじま)を通過した最大流量を決める検証が対象。当初、「1万5千立方メートル」で進んでいた議論が、突然同省土木研究所から「1万7千立方メートル」が提示された。委員から疑問が出されたが、この数字が正式採用された。
- 同資料を入手した岡本芳美・元新潟大教授(河川工学)は、「私の計算では1万5千立方メートルよりもっと少ない。国は当時ダム建設を進めていた。ダムを造るため治水名目をつくりだし、恣意的に最大流量を増やしたのではないか」と語る。
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