強国の波間、韓国焦燥 [東京新聞]
- 東アジア・太平洋地域は、張り詰めた空気に覆われている。韓国・済州島は、日本海、東シナ海、黄海の接点となる海上交通の要衡だが、その南岸で海軍基地の建設が進む。2015年の完成を目指す。基地建設方針を決めた1995年当時の政府高官は、「海運の安全や大陸棚の資源確保、中国の軍事力増強への備えが目的だ」と明かす。
- 中国と韓国の間には、境界が未確定な海域が残る。排他的経済水域(EEZ)の境界未画定の暗礁は済州島からは約176キロで、釜山の海軍基地の500キロよりはるかに近い。済州島に基地ができれば、事が起きたとき、中国よりも早く到達できる。また、北朝鮮の人民軍の海上行動に対する牽制にもなる。
- 今年6月には、日米韓3国の合同軍事演習が実施された。日本では、北朝鮮と中国に対する日米韓の連携は盤石と考えられがちだが、韓国の思いは複雑だ。李大統領の竹島上陸と天皇謝罪発言の背景には、旧日本軍従軍慰安婦問題などでの韓国民の不満がある。さらに中国は2004年以降、最大の貿易相手国となっている。「韓中関係が韓米関係に優先することはないが、韓米日の3国連携になると、常に韓中関係に優先するとは限らない」と韓国政府当局者は言う。日本は、自らの微妙な立ち位置を自覚する必要がある。
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