売られる野生動物 ~地球異変 [朝日新聞]
- コンゴ共和国のヌアバレ・ヌドキ国立公園を中心に、3ヵ国にまたがる熱帯林が世界遺産に登録された。ゴリラやゾウなど多くの野生動物が暮らす豊かな生態系が評価された。だが、この豊かな森の動物が食い尽くされつつある。
- 熱帯雨林が広がるコンゴでは、野生動物の肉は「ブッシュミート」と呼ばれ、昔からたんぱく源のひとつになってきた。ただし、自家消費分のみで、動物の数が維持される持続可能な利用だった。ところが、内戦が終わった2000年頃から事態が変わった。人口が急増し、ブッシュミートが都市で大量消費されるようになった。
- 国連食糧農業機関(FAO)によると、周辺6ヵ国で消費されるブッシュミートは、1990年代の4倍以上に増加した。アフリカの熱帯雨林での狩猟は、野生動物を絶滅させず、持続可能に利用できるレベルの6倍以上になるという。国際NGO野生生物保護協会の西原智昭さんは、「野生動物は木々の種を運ぶなど森にとっても重要。動物の減少は森そのものの存続の危機だ」と語る。
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