権益拡大へ中国加速~地殻変動-2 [東京新聞]
- 「美しい三沙を愛し、海洋国土を守れ」。南シナ海に浮かぶ中国南部・海南島の街中には、こうした標語の横断幕が目立つ。「三沙」とは、中国とベトナムとフィリピンが領有権を争う西沙、南沙、中沙の3諸島を指す。
- 中国は、共産党指導部の方針が決まると、一気に目標に突き進む。「3諸島の行政組織を三沙市への格上げ」「ベトナム近海の石油・ガス田開発への外国企業の入札呼び掛け」「人民解放軍による三沙市の警備区の設置」など、官民一体で領土・領海を「死守」するために、矢継ぎ早に強硬策を繰り出す。
- 三沙の漁師の8割が民兵組織に入り、射撃訓練に参加。「海上民兵」の身分でベトナムの漁民と対峙する。海南省の漁船30隻が南沙諸島で試験操業したあと、ミスチーフ礁(中国名・美済)に入り、既成事実となった領有権をアピールした。ここは元は、フィリピンが抑えていたが、中国が1995年に軍事拠点を設け、実効支配を開始した。今後の日中関係やアジア情勢次第で、中国が尖閣諸島に対しても、官民一体の強行策を取る可能性は大いにある。
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