石綿訴訟、国に賠償命令 [東京新聞]
- 東京地裁は5日、石綿訴訟で「国の規制に不十分な点があった」として、賠償を命ずる判決を下した。アスベスト(石綿)を吸い込み、肺がんや中皮腫などになった首都圏の元建設労働者308人について、本人と遺族が、国と建材メーカー42社に計118億円の損害賠償を求めていたのに対し、158人に約10億6000万円を国に支払うよう命じた。
- 判決の骨子は以下の通り。▽国は石綿の吹付作業では1974年、切断などでは81年に規制の義務を負っていたが怠り、違法だ、▽この時期以降に屋内で建築作業に従事した労働者に限り、国の賠償責任がある、▽屋外作業では危険性を容易に認識できたとは言えず、零細事業主や個人事業主についても国は責任を負わない、▽石綿を含有した建材の製造販売企業に共同不法行為は成立しない―。
- 建設現場での石綿被害をめぐる集団訴訟は、6地裁で起こされており、東京地裁の患者数は最多となる。判決は2件目だが、国の責任を認めた判決は初めて。同種の訴訟や、国の今後の救済策に影響を与えそうだ。
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